2010年3月 4日 (木)

第27話 縁台

もう、すっかり暗くなっている。
目の前には、一面、田んぼが広がっているが、闇に見えない。テーブルを、横に引き伸ばしたような台に、一人座っているココロ。
お盆を持った、かあにゃ少年が、家から出て来る。

「ココロねえさん、スイカ持って来たよ。」
「あぁ、ありがとう。大好物でしたね。」
「? ・ ・ 。 あっ、そうか。 未来から、来たんだっけ。」

「これ、縁台ですね。向こうで、見ましたよ。」
「向こうって、未来のこと?」
「ええ。 この前、片付けした時に、出て来ました。 まだ、使えます。」

「未来って、どうなってるのかな?」
「そうねぇ。色々変わります。 あぁ、そうそう。 もう少しすると、この下の田んぼも、みかん畑になるんですよ。 その後、お米は、三分の一しか作れなくなります。減反政策っていうんですけど。」

「ふーん。 スイカ、美味しいね。」
「ええ。 向こうでも、そうやって、タネをプップッて、出してましたよ。 この前、草刈したあとで、食べた時にね。」

「あっ、ほたるだ。たくさんいるね。」
「わぁー、きれいですね。 こっちでは、こんなにたくさんいるのに。」
「向こうは、いないの?」
「一匹も、いません。」
「へぇ、そうなのか ・ ・ ・ 。 じゃぁ、今のうちに、しっかり見ておかないとね。」
「ええ、そうねぇ。」

「 ・ ・ ・    」
「 ・ ・ ・    」

「ココロねえさん?」
「えぇ、なんですか?」

「ううん、なんでもない。
 ・ ・ ・ 。」
「 ・ ・ ・ 。」

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2010年2月28日 (日)

第26話 伝習

その頃、昭和30年代では、

notes 「おいらーがたたけば、あらしーをよぶぜ。」
かあにゃ少年(かあくん)と、いっしょに歌う、妹ココロの姿が。

「そうそう、その調子です。 もう、わたしがいなくても、大丈夫ですね。」

「うん。 もう、一人で、歌える。すこし、暗くなって来たね。あれは、カラスの声かな?」
note やーまの、ひーぐうれは、(あっ、) ・ ・ ・
(姿勢を正し、)山の日暮れは、カラスが教えてくれますね。coldsweats01 
(エヘン)」
(これ、歌ってはいけませんでした。)


「えっ、今のなあに? 歌みたいだったね??」
「いえいえ、何でもないのよ。ただの、ひとりごと。」

「それより、お願いがあります。今夜一晩、泊めてくれますか? 蚊帳で寝たいし、蛍も見たいな。」
「うん。 早く、晩ごはん食べて、お風呂に入ってしまおう。」

「それじゃぁ、シャンプーとって来ますね。 えーと今日は、試練の香りかな?」
「??? ・ ・ ・ 。」
「ウフッ。(将来、あなたに、ずっと付いて廻っている言葉ですよ。)

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2010年1月14日 (木)

第25話 もう一つの出会い

バス停に、乗合バスが止まり、降りてくる幼稚園児、数名。

発車したバスと同じ方向へ向け、歩き出す一名。胸に掛かった、ハンカチには、 ・ ・ ・ 。おっと、これは書けません。

「あー、幼稚園、疲れた。 今日は、何して遊ぼうかな?」
「おやっ、あれは?」

家の前に、見慣れないおねえさんが。しかも、口ずさんでいるのは、 ・ ・ ・ 。
「 note おいらはどらまー。 ・ ・ ・ おいらーがたたけば、あらしをよぶぜー ・ ・ ・ notes 」

「わー、うまい。パチパチパチパチ!」

「おねえさん、だあれ?」
「ああ、こんにちは。わたしは、ココロ っていって、あなたの五十年後の未来から、やって来たの。一緒に住んでいるけど、お嫁さんではないのよ。」
「へーえ、それは残念。でも、一緒に住んでるんなら、まあ似たようなもんだね。」
「あらあら。 (うちのお姉さんと、同じこと言ってる。これじゃ、気が合うわけだわ。)」

「ところで、今の歌。全部知ってるの?」
「ええ、『嵐を呼ぶ男』 。もちろん、知ってますよ。」

「ぼくに、教えてよ。」
「はい。 (そのために、来たんですから。)」

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2010年1月10日 (日)

第24話 再び、30年代

わたしは、妹ココロです。二ヶ月ぶりに、満を持しての登場です。

向こうは、平成22年(2010年)の、お正月が明けたばかりですが、こちらは昭和30年代、季節は初夏です。
幼稚園時代の、かあにゃさん(こちらでは、かあくん)に、歌を教えにやって来ました。もちろん『嵐を呼ぶ男』。この歌を、幼稚園で歌ってもらわないことには、歴史が変わってしまいます。歴史というのは、ちょっとオーバーですけど。 
それともう一つ、思わぬ落とし穴が、待っていました。途中、渋滞したおかげで、わかったのですが。

こちらは、家のすぐ下は、田んぼになっています。向こうでは、みかん畑でした。暑い夏の日に草刈したのが、つい昨日のようです。

道路は、舗装されていません。だいたい、車は、乗合バスくらいしかありません。ご飯は、かまどで焚いていた時代です。

日本も、半世紀前には、こういう世界だったのですね。
さて、そろそろ、かあくんが帰って来る頃ですが。

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2009年11月15日 (日)

第23話 運命の日

えぇっ、かあにゃさんが亡くなっている、 って。
じゃあ、ここにいる人は? 

もう、少しずつ、おかしくなっています。 とにかく、その日、何があったのか調べてみましょう。本当は、ご本人に聞けば一番良いのだけれど、以前とは変わってしまっているのです。この前の、会話の如くです。

さあ、調べるとなると、 ・ ・ ・
普通は、日記、手帳ですね。昭和49年は、えーと1974年、ですか。今から、35年前ですよ。この時、もしかしたら、死亡していたかもしれない、という事実があるはずです。

このころは、日記も手帳も、両方とも付けていたらしいんですが、
なんか今、少し、ゴタゴタしていて、探すのがたいへんです。そこらへんのものを、ひっくり返すのは、今は出来ません。 
なぜって? それは、ちょっとね ・ ・ ・ 。

と、すれば、
あっ、写真はどうでしょう。アルバムなら、すぐ出せるところにありました。わたしはまだ、見たことないですけど。

へぇーっ、昔は、こんな大きなアルバムに、写真貼っていたんですね。なんか、ドキドキしますね。

若い頃の、写真です。ギターを弾いて、歌ってるのが多いですね。相変わらずです。やっていることは、今とほとんど同じ。そういう人生を、歩んで来たのですか。
うーん。歌、聞いてみたいですね。 あっ、それはいけません。そもそも、それが発端なんですから。このお話ができたのも。

あっ、なんですか、これ。女性と、デュエットしているのがありますよ。
まぁ、なんて人でしょう。わたしというひと(女)が、ありながら。 angry
(あぁ、これは、過去のお話でした。)

冷静に、冷静に、
さて、運命の1974年、2月27日、 ・ ・ ・ 。

あった ! 

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2009年11月13日 (金)

第22話 依頼

ふゎーぁーーぃ。 
すっかり酔っ払って、寝てしまったココロです。なにか良い気持ちだと思ったら、かあにゃさんの膝枕でしたよ。わたしも、妹流に言うなら、「なんてヤツ」 でしょうね。

頭の中で、鐘が鳴っています。その鐘の音と一緒に、何か聞こえてきます。
えーっ、どうしてわたしの声が、聞こえるのかな? と、思ったら、妹でした。 あぁ、そうそう。 妹は、過去に向けて旅立ったんでしたね。

(お姉さんへ
こちらは、道路ならぬ、時空路が渋滞していて、昭和30年代には、まだ着いていません。途中の40年代では、とんでもないことが起こっていました。かあにゃさんが、亡くなっていたのです。
これは、パラレルワールドで、枝分かれの中の一つの世界なのでしょうか? もし、そうなら、色々な可能性の世界が、無数に出来てしまいます。

また、そうでないのなら、そちらのかあにゃさんは、まもなく消えてしまうはずです。どちらにせよ、厄介で、良い方へ向かってはいません。

昭和49年(1974年))2月27日、この日、何があったのか知りたいのです。そちらに、何か資料が残っているはずです。調べて見て下さい。対応は、それから考えます。
頭を冷やして、大至急お願いします。)

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2009年11月 7日 (土)

第21話 くもがくれ

昭和49年2月27日 没

何と、かあにゃさんが亡くなっているのです。 これはいったい、どうなっているのでしょう。 パラレルワールドなのでしょうか?

ああ、この日、一体何があったのかしら? タイムマシンは、違う場所に行くことは出来ません。あくまで、かあにゃ邸周辺だけの、時間移動に限ります。だから、ここで、その場に立ち会うことは、出来ないのです。

調べる方法は、二つあります。一つは、お葬式の場へ行って、原因を聞くこと。
もう一つは、平成にいるお姉さんに、調べてもらうこと。これしか、ありませんね。 あれっ、待てよ? 向こうには、かあにゃさんいましたよね。(性格は、別人になってしまいましたが。) これはどうやら、色々な未来に、枝分かれをしてしまったようです。 が、いずれにしても、良いことはありません。

ところで、お姉さんは、 ・ ・ ・ 。 ああ、そうでした。『浮橋太夫』 ならぬ、ココロ太夫になってしまっていましたっけ。ちょっと、無理を承知ですが、テレパシーで呼び出してみましょう。

集中 ・ ・ ・ 。

(追記)
しかし、このおはなし、もっと簡単に終わると、思っていました。もうじき、半年です。いつまで、続くのでしょうか?
それにしても、この作者さんは、何を考えているのかしら。まったく、「なんてヤツ」 でしょう。遂に、死亡者まで出してしまいましたよ。

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2009年11月 4日 (水)

第20話 途中下車

さあ、少しずつですが、やっと動き出しました。

平成元年を過ぎて、今は昭和60年代に入っています。
だんだん、速くなって来ました。早戻しの状態です。

昭和50年代の、前半に入りました。
でも、何か、 ・ ・ ・
おかしいな?

かあにゃさんが、見当たりません。
もっとも、この年代には、ここには居ないはずですから。そのせいかな。

もう少しで、40年代に入ります。
もっと、しっかり見ないと。 気になる、というか、この胸騒ぎは何なのでしょう?。

あっ、ストップ ! いまのところ。 繰り返し。

黒い服を着た人たちが、出て来ました。何だか、お年忌のようです。

お墓へ向かうみたいです。わたしも、付いて行ってみましょう。
少し寒気がするのは、今が冬だからというだけではないような気が、 ・ ・ ・

もう、先回りして、行きます。見当たらないのは、何か用事があって、来れなかっただけですよね。 きっと、そうですよね。

お墓は、上の方にあります。よいしょ、よいしょ。 少し、疲れました。 
さて、

「あーーぁーー、 あーーぁーー、 なんてこと。 なんてこと。」


2009年10月30日 (金)

第19話 渋滞

一方、こちらは、

出発してから、一月も経っているのに、まだ到着しません。一体どうなっているのでしょう?
タイムマシンて、こんなに時間が掛かるのかしら。そうだ ! 時間情報局に、問い合わせて見ましょう。

ピッピッピッ ・ ・ ・

えーっ、なになに、
「22世紀になって、時間枠通行料が無料になり、時間旅行者が急増し、渋滞しています。昭和30年代へ行くのには、あと2週間掛かります。」  ですって。

そんなー。わたしは、物見遊山ではないですよ。変わってしまった未来を、修正する為に、行くのです。緊急車両扱いで、誘導してください。

忠臣蔵なら、敵の目を欺く為、となるでしょうけど、
あれは、堕ちる所まで堕ちる、とんだ道行になるだけです。
HPのタイトルを変えるなんて、
そんなこと、・ ・ ・

(あっ、そうそう。
このHPのタイトルですけど、実はもう一つ、候補があったんです。
それはね、『それいけ ! フォルクローレ』 。あの、『アンパンマン』 から、来ているんですけど。
どちらにしようか、ずいぶん迷ったそうです。感じは少し変わるけれど、意味合いは同じです。こちらでも、良かったかな。

余談ですが、TV『それいけ ! アンパンマン』 は、20年で千回を、越えました。すごいですね。わたしは、『アンパンマンとドドの島』 というおはなしが、好きですけど。)

話を戻しますと、「タイトルを変える」 っていうのは、このようなことではないですね。『フォルクローレ』 の語句を降ろすという意味です、多分。

そんなこと、・ ・ ・

わたしが、させませんよ !

だって、このHPにやって来たのはその為だし、また、その為に過去に行くんですから。


2009年10月24日 (土)

第18話 錯乱

過去に向かい、旅立った、妹ココロ。 その頃、かあにゃ邸では、・ ・ ・

「酒だ、酒だ ! ココロ、酒を持って来ーい。」
「どうしたんですか? わたしの留守の間にも、昼間から、飲んでたようですけど。」

「これが飲まずにいられるかい。巷では、『にぎわいフェスティバル』 だの、『ふれあいまつり』 だのと、イベントばっかり。街には、国民文化祭の旗が溢れ、近くには、長屋門だ、三世代交流だと浮かれてる。今年一月から、藤枝市となり、みんなそれぞれの場へ進出して行った。
それに引き換え、こちらはどうだ。合併し、これからという時に、メンバーは離脱。個人的にも、かなりのハンディを抱えた上に、今年の有様は。もう、泣きっ面に蜂とは、正にこの事。人生裏街道の枯れ落ち葉かー。」

「あー、それ、『天保水滸伝』 の、平手深酒ですよね。『大利根無情』 私も、好きです。」
「何をのんきなこと言ってる。のんきココロめ。手打ちにしてくれる。そこへ、直れ ! 」

「わー、怖いですねー。お酒の飲み過ぎは、体に良くないですよ。」
「なーに、飲むほどに体が慣れていくんだい。ココロも、一杯付き合え。」
「じゃあ、一杯だけです。 ぐぐっ。」

数分後。
「あー、おいしい。 もっと、ください。 ういー。 ココロ太夫が、お相手しまーす。」

あー。 何という醜態。 かあにゃ邸は、さしずめ、忠臣蔵で云うなら、京・祇園の場となってしまうのか? このHPのタイトルも、変えた方が良いのか?


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